4月25日 名古屋～鈴鹿

靴がない。

名古屋のライブハウスRADの楽屋で目覚めトイレに行こうとすると靴が見あたりません。
おかしい。確かにここに置いたのに。探しても見当たりません。
必死に探すと靴と靴下が窓から放り出されている模様。併走ランナー風次Pがあまりの臭さで眠れずキレて投げ捨てた様です。

異臭事件となりRADを出て近くのコインランドリーで靴を洗う作業からスタート。
靴は綺麗になったが身体は汚い。このしんどさも水に流して。

今日は名古屋～鈴鹿まで。鈴鹿は鈴鹿サーキットぐらいしか思い浮かばない。
町なのか田舎なのか？たどり着けるのか？泊まれる場所があるの？もう思考能力もない。

走り出してすぐに昨日緩み癖がついていると言われたペダルが緩んでいる事に気づく。すぐに自転車屋があったので修理。

ペダルをしっかり締めてもらい復活。自転車屋さんに
「盛岡～神戸まで？すごいっすね。頑張ってください！」
と激励してもらう。しかしもうくたくたで応える声がでない。でも神戸までペダルが緩まない事を願ってまた走りだす。

1号線に乗り三重県に向かって走る。
この旅で一番トラックが多く走っている。トラックのあおり風はギターケースを背負う僕にダイレクトに吹き付け何度もよろめきこけた。自転車を起こす力が出なくなった。

コンビニの駐車場もトラックばっか。トラックと併走する恐さは知っていたはずだがこんなにいっぱい走っているといつも以上に神経を研ぎ澄まされる。
ボロボロの身体に集中力を使い走る作業がまた負担で疲れが余計に襲ってくる。もうブレーキー握る力もなく危ない。本当にこんなんで最後まで走りつづけられるのか。

トラックに何度も吹き飛ばされそうになりながらなんとか三重県へ。本当に奇跡。
それでも目的地の鈴鹿までは遠い。お願いだから神戸からこっちに近づいてきてくれないだろうか。

三重県に入ると長島温泉が…今入ったら最高に気持ちいいだろうな…先を急ぐのでもちろんスルーしてペダルを蹴る。

橋の上から遥か遠くにジェットコースターが見える。長島スパーランド。
せっかく近くまで来ているのに遊びには行けない。スルーして先を急ぐ。今は遊ぶ力もない。休みたい。

四日市に入り日が暮れ出した頃併走ランナー風次Pから入電。

「仕事が溜まっててな…オレ今日そっち着かれへんかも知れんわ…」

ええぇぇぇ！ブッキングノートまで持って走っている風次P。
太陽と虎のマンスリーの入稿日だったらしく仕事をしながら走っている風次Pはてんやわんやの状態。今日は風次Pと完全に別行動になるかもと覚悟を決めまた走りだす。できればたどり着いて欲しい。

そして完全に日が落ちた頃に鈴鹿市に入る。

鈴鹿に何があるのかもわからないまま『明日鈴鹿峠を越えなければいけない』という理由だけで出来るだけ近い鈴鹿までと決めていたが、何があるのかの予備知識は全く無し。

とりあえずライブハウス鈴鹿Answerと言う去年9月にオープンしたばかりのライブハウス。
すぐに電話をすると
「ライブはやっていないですが来てください！」
とのこと。
とにかく鈴鹿の情報だけでも得られればとAnswerへ。足も腰も痛く自転車を漕なくなり押しながらたどり着く。

真っ暗になったころAnswerに到着。

ブッキングとPAペキさんが出迎えてくれます。服屋、タトゥー屋、スタジオ、そしてライブハウスが一軒にまとまっている大きな建物。

クラブだったという場所にペキさんがライブハウスを作りたいと思い機材を全部自分で用意して始めたのだとか。

「ツイッターで見たり地元のバンドマンから今日カミングライダー鈴鹿らしいって聞いてたんで寄ってくれて嬉しいです！」

とカミングライダー広まってます。うれしい。
そして「今日よかったら泊まって行ってください！」とこちらが頼む前に泊めてもらえることに。助かる。
ペキさんも車で一時間の距離に住んでいるとのことでよく事務所に泊まっているのだとか。

ペキさんに感謝。本当に助かりました。

そして遅れている併走ランナー風次Pは0:00を回ってもまだ来ない。着信も無い。
まさかどこかに倒れているんじゃ…心配になり電話しても電話が繋がらない。
最寄り駅の名前だけは教えていたのでそこまで来れば迎えにいける。
しかし3:00を回っても電話無し。いよいよ警察に連絡か。と思った時

「ドンドン！旅の者ですが誰かいませんかー？」風次P到着。

しかし風次Pは凍死寸前。携帯の充電機が破損し充電切れでさ迷っていた様子。警察に駆け込むもパトロール中で不在だったと。

持ってきてたバンド電話番号リストに僕の名前が無く、公衆電話で夜中に僕の番号を知っていそうなバンドマンに電話しまくったが誰も出なかったと。

深夜の町に人もいない。コンビニでライブハウスを聞くも「ワタシニホンジンジャナイ！」と言われ‥。色んな人に聞きまくり到着。

さてさて、なんとか鈴鹿までついたライダー。
明日はいよいよ鈴鹿峠を越え関西突入編！後少し…今までの披露で朦朧状態に。しかし負けるなライダー！走れライダー！神戸にたどり着けカミングライダー！

-まだつづけられるの？つづく-